インドへの投資(1)

FRBがテーパーリングを11月に決定し、コモディティのインフレが顕著になり、スタグフレーションのリスクが日々増す中、もはやどれを買っても成績が芳しくない。そのため、今後10年を見据えて、何に投資したら良いのか、悩むところではあるが、考えた末、最近他国指数をアウトパフォーマンスしたインド指数に目が行き、インドへの投資をご紹介したいと思う。

1. アウトパフォーマンスの前兆

下図のように、中国経済の減速やテーパーリング迫っている中、8月下旬から、sp500(spx)が軟調な展開が続いている。一方、インド指数のniftyが新値を更新し、良いトレンドが続いている。また、niftyが3月と6月ごろに調整相場が少しあったが、すぐsp500(spx)に追いついた。

新値更新は必ず意味がともなう。もしかして、次の大相場の前兆かもしれない。インド株化ける理由を下記のように示す。

2. インド株が化ける理由

2.1 最大の民主主義後進国の優位性

今までインドのインフラが整っていないことなどが嫌気され、国際社会から積極的な投資がされてこなかった。ただ、今新冷戦の時代が囁かれる中、生産拠点を選ぶ際に、労働力が豊富、相対的に賃金が安いなどの条件に加え、「民主主義」の国であることが一層重視されるようになる。インドは世界で最大の民主主義後進国であるため、ますます注目されると思われる。

2.2 成長型人口構造

政治制度が優れているだけでは、必ず成長できるとは限らない。安宅和人先生が「シン・ニホン」という本に書かれたように、発展に2つの条件があり、国民が若いであること、そして、その若い連中が貧乏であること。若い人にまずエネルギーがあり、貧乏さがさらにそのエネルギーを倍にする。飢えた若い狼を想像したら良いと思う。さて、インドの人口ピラミッドは下図のように、20代は厚い層を占めており、若い人が多いことが1つの条件を満たした。

図1 インド人口ピラミッド

2.2 GDPの伸び代

若さの次に、貧乏であることを述べていく。

インドの2020年のGDPは約2.6兆USドル、それに対して、同じぐらいの人口を有する中国のGDPは14.7兆USドル。同じ発展途上国として、GDPが中国の1/5で、そこまで裕福ではないことがわかる。将来中国のような規模になると仮定しても、ざっと5倍の伸び代がある。ここで本田選手のお言葉を借りると、「伸び代しかないですね!」

2.3 株式市場が相対的に安い

単純にGDP伸びると株式市場が伸びるとは限らない。バフェット指数をご存知の方がおられると思うが、本指数はGDPに対する株式市場の時価総額の割合である。妥当な数字は1前後であり、すなわち理論上の時価総額がGDPとは同じぐらいである。あくまで理論上の結論になるが、GDPが5倍になると、時価総額も5倍になるはず。

現在(2021年9月時点)インドと米国の株式市場時価総額はそれぞれ3.4と40.7, バフェット指数に換算すると、それぞれ1.3と2である。基本バフェット指数が1を超えると割高との認識だが、米国市場に比べると相対的に割安である。

以上のように、インド株の成長可能性の話をしたが、一体どの株や指数に投資したら良いのかを次で紹介する。

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